電圧降下とは-許容範囲と計算式

電線に電流を流すと電圧降下が発生します。

ここでは電圧降下の基本について解説します。

電圧降下とは

電圧降下とは、電流を流した電線で、端末になるに従って電圧が低くなっていく現象です。

電圧降下の原因は、電線やケーブルが持つ小さな電気抵抗によって発熱することによって電圧が低下していきます。

電圧降下の特徴

電圧降下には以下のような特徴があります。

  • 電圧降下は、電線が細いほど大きくなる
  • 電圧降下は、電線が長いほど大きくなる
  • 電圧降下は、使用電流が大きいほど大きくなる

許容電圧降下

低圧配線中の電圧降下は原則として、幹線・分岐回路それぞれ標準電圧の2%以下とします。
それ以外の許容電圧降下は下記の表を参照してください。

(内線規程による許容電圧降下)

電源供給方式こう長許容電圧降下
幹線分岐
変電設備なし60m以下2%以下2%以下
120m以下4%以下4%以下
200m以下5%以下5%以下
200m超過6%以下6%以下
変電設備あり60m以下3%以下3%以下
120m以下5%以下5%以下
200m以下6%以下6%以下
200m超過7%以下7%以下

電圧降下の計算式(簡略法)

電圧降下の計算は下記の簡易式を使って求めることができます。

■単相2線式の電圧降下(線間)e = (35.6 × 電線長さm × 電流A / 1000×電線断面積㎟)

■単相3線式の電圧降下(大地間)e = (17.8 × 電線長さm × 電流A / 1000×電線断面積㎟)

■三相3線式の電圧降下(線間)e = (30.8 × 電線長さm × 電流A / 1000×電線断面積㎟)

電圧降下の計算方法には、インピーダンス法と呼ばれる詳細な計算方法がありますが、難しくなるのでここでは省略します。

電圧降下の計算をするにあたり、便利なサイトがあるので紹介しておきます。

電圧降下および電線断面積の算出式 (株式会社三ツ星のサイト)