電線やケーブルには許容電流が定められています。
ここでは、電線やケーブル・コードの許容電流について解説していきます。
許容電流とは
電線の許容電流とは、その電線に流すことができる最大の電流値のことです。
電線は断面積が小さいほど抵抗が大きくなります。
細い電線に大きな電流を流すと、熱が発生し電線が断線したり、絶縁被覆が溶けたりする事故が発生する可能性があります。
このような事故を防ぐために、電線の太さによって流すことができる最大の電流値を定めているのです。
電線の種類と許容電流
電線には1本の銅線の単線と複数本の銅線をまとめた依線があります。
それぞれ直径や断面積によって許容電流が異なります。
電線の種類 | 電線の太さ | 許容電流 |
---|---|---|
単線 | 直径1.6㎜ | 27A |
直径2.0㎜ | 35A | |
直径2.6㎜ | 48A | |
より線 | 断面積5.5㎟ | 49A |
断面積8㎟ | 61A |
ケーブルの許容電流
ケーブルとは、絶縁電線を外装(シース)で覆ったものなので、電線保護用の管や外装に収容した場合に相当します。
絶縁電線を管や外装などに収めて使用すると、露出の場合に比べて熱がこもって温度が上昇してしまいます。
そのため、電流減少係数という係数をかけて、許容電流を低くする必要があります。
同一の管・外装内の電線数 | 電流減少係数 |
---|---|
3本以下 | 0.70 |
4本 | 0.63 |
5本または6本 | 0.56 |
※ケーブルは複数本の絶縁電線を外装(シース)が包んだ構造となっています。
外装内の電線の本数は「本」ではなく「心」という単位で表します。
コードの許容電流
コードは、移動しやすいように、細い銅線を何本もより合わせ、ゴムやビニルで被覆して柔らかく作った電線です。
コードの場合は、絶縁電線やケーブルで使われる動線よりも細い規格を採用しているので、独自の許容電流を設定しています。
断面積(㎟) | 許容電流 |
---|---|
0.75 | 7A |
1.25 | 12A |
2 | 17A |