給水設備の設計前の調査の流れとポイント

給水設備とは建物や敷地で使用する水を供給する設備全般のことを言います。
給水設備の設計をするうえで、給水引込管や水道メーターの位置は、建物の配置計画等に大きく影響してきます。

ここでは、設計に入る前の給水設備の調査の流れやポイントについて解説していきます。

給水設備の計画はまず現地確認から

給水設備の計画をするにあたり、最初に行うのが現地調査です。
現地調査といっても、現地を目視で確認するだけでなく、管轄役所の水道局や水道課で確認することも含んでいます。

上水道本管や引込配管は埋設されているので、現地で確認してもよくわかりません。
現地で確認できるのは、敷地内に既存の水道メーターがあるかどうかくらいです。
もし水道メーターがあるようであれば、位置をしっかりと確認しておきましょう。

現地確認ではわからない本管の位置や高さなどは役所での調査が必要になります。
一般的には水道局や水道課で「上水道台帳」を閲覧して確認することになります。

敷地内への引込管まで確認するためには、土地所有者の同意書、委任状などが必要になる場合があるので注意が必要です。
事前に担当部署と同意書の要否を確認しておいた方が良いでしょう。

「上水道台帳」で確認できること

上水道台帳の閲覧で確認できることは、

  • 水道管の口径
  • 水道管の位置
  • 水道管の深さ
  • 水道管から対象地までの距離

などになります。

可能であれば上水道台帳の写しをもらっておくと、現地での再確認のときに間違いがありません。

給水設備の事前調査で確認しておくべきポイント

上水道台帳の閲覧でわかる情報のほかにも、その後の設計で必要になる事項があります。
「上水道台帳」の閲覧の時に、一緒に確認しておくようにしましょう。

給水設備事前確認事項

  • 給水引込管があるか?
  • 既設引込管がある場合に、再利用は可能か?
  • 水道加入(負担)金はあるか?いくらかかるか?

給水設備の調査の流れ

1.前面道路に上水道本管があるかを確認

2.ある場合は、上水道本管の口径や水圧・深さ・位置を確認

3.計画している敷地に引込配管はあるかを確認

4.ある場合は、再利用が可能か確認
計画建物の必要水量を満たせるかを検討
→必要水量を満たせない場合は口径変更が可能か確認

5.引込管がない場合・再利用が不可の場合は、新規引込が可能か確認

以上の内容で上水道が利用可能となれば、その後給水方式の検討に入っていきます。

もし、前面道路に上水道本管がなく、敷設計画もない場合は、井水での計画が必要になりますが、井水が必要かどうかは役所との協議が必要となります。 給水設備の調査の流れや調査ポイントについてみていきました。
建物の基本設計が始まってから「こんなはずでは・・・」と慌てないように、事前にしっかりと調査を行うことが重要です。
最後に給水設備のチェック項目をまとめておきますので、現地確認の際に参考にしてください。

給水設備事前調査のチェック項目

  • 前面道路の上水道本管敷設状況
  • 水道管の口径
  • 水道管の位置
  • 水道管の深さ
  • 水道管から対象地までの距離
  • 敷地への引込配管の有無
  • 既設引込配管の再利用の可否
  • 引込配管の口径変更の可否
  • 引込配管の新規引込が可能か
  • 水道加入(負担)金の要否
  • 水道加入(負担)金の金額